ラストー!!
…
ゴールデンウィークも、もう終わりか…
「袖 後編」
男「…」
男は手紙を読んだ。内容は簡単に一言書かれていただけであった。
例の少女の危機
男「…」
奴隷A「アニキ?」
男(…無理だ。俺に何ができる…)
奴隷B「どうしましたアニキ?」
男(…こいつらも助けてやることもできない…あの男にも勝てない…)
奴隷C「…アニキ?」
男(大切な…家族すら助けられなかった…)
奴隷D「アニキ…」
男(結局俺は何もできない…何の価値もない男だ…)
男の脳裏に浮かぶは数々の過去
男(…そうだ…俺は…)
そしてあの男の言葉
また、逃げるのか?
男「…嫌だ!!」
奴隷A「あ…アニキ?」
男「…お前達…力をかしてくれ!!」
奴隷B「へ?」
男「今から…最後の戦いに挑む。もう俺は誰も失いたくない!!」
奴隷C「…アニキ…やっとその気になってくれましたね」
男「俺は…一人じゃ何もできない男だ…だから、無理を承知でお前達に力をかりたい」
奴隷D「もちろん手伝うぜアニキ!!」
奴隷E「おう!!今までアニキをおかげで俺達は生きてこれた、頑張ってこれたんだ。今度は俺達がアニキを助ける番だぜ!!」
男「…お前達…ありがとう」
奴隷F「礼を言うのは勝ってからですぜ、アニキ」
男「…ここか…」
そこには大量の兵士達がいた。
奴隷A「アニキ、俺達が突破口を開くからアニキは俺達に構わずお嬢ちゃんを助けてください」
奴隷B「多分王とあの将軍もいるから気をつけてください」
男「馬鹿、お前達だけじゃ…」
奴隷C「俺達を舐めないでくださいよ、アニキ」
奴隷D「それにお嬢ちゃんを助けるのはアニキの役目ですよ」
男「…死ぬなよ、お前等…」
奴隷E「合点承知!!」
奴隷F「いくぜ…おらおらおら!!!」
兵士A「な、なんだ!?」
兵士B「て、敵襲!!」
兵士C「なんだと、くそ…」
将軍「…来たか…」
王「飛んで火にいる夏の虫、というやつかな…ぐへへ」
少女「…」
将軍「…君の役目は終わった…もう帰りなさい…」
少女「…わかりません…何故、あなたは…」
将軍「…」
男「ぐ…予想以上に敵が多い…」
兵士D「ば、化け物め…あんなにいた仲間が…」
四天王1「どきなさい、あなた達では相手になりません」
男「…ほう…」
四天王2「さすがというべきでしょうかね…」
四天王3「しかし、我々4人相手に一人では勝ち目はありません…退きなさい」
男「悪いがそうはいかない。俺を信じてくれた仲間達のために…そして、あいつのために…前に進む!!」
四天王4「そうか…ならば、全力で相手するのみ!!」
男「うおおおお!!!」
王「お、おい将軍…あの小娘逃がして良かったのか…?」
将軍「…」
王「先ほど何を話していたか知らないが…本当に、大丈夫だろうな?奴隷共を叩き潰せるのか?」
将軍「…」
王「黙っていないで何とか言え!!」
将軍「…」
男「…はあ、はあ…」
四天王1「…こんな、馬鹿な…我々が…」
四天王2「…しかし、奴も虫の息だ…この調子なら、1,2人犠牲にすれば…」
四天王4「…行くがいい」
四天王3「お、おい!?」
男「…」
四天王4「…誰かを犠牲にしてお前を倒しても、意味はない…無駄に命を失くすな」
男「…へ…じゃあ、遠慮なく…行かせてもらおう」
四天王4「…」
四天王1「…いいのか、このまま行かせて?」
四天王2「だが、我等とて満足に動けない。下手すれば負けていたかもしれない」
四天王4「構わん。お前達の命を犠牲にするわけにもいかなかった」
四天王3「あなたがそうおっしゃるのであれば…」
四天王4「…それに…」
男「…もう、すぐだ…後、少し…」
兵士E「き、来たぞ!!」
男「く…まだいたか…」
兵士F「もう虫の息だ…このまま一斉に…」
少女「男さん!!」
男「…」
兵士G「うわ…あ、危ないぞ!!」
少女「男さん…こんな、酷い怪我して…」
男「…無事、だったか…なら、良かった…」
少女「良くないです!!どうして…こんな無茶を…」
男「…今度は…助けれた…」
少女「…男さん…」
兵士H「お、おい…どうする?」
兵士I「…構わん、あの娘ごと…」
将軍「そこまでだ」
男「…」
兵士J「しょ、将軍…様…うわあ!!」
兵士達は驚いた。将軍が手に持っていたものは…
将軍「王は死んだ。彼等はもう自由だ」
兵士K「そ、そんな…」
少女「…それが、あなたの目的だったのですね…最初から、王の暗殺を…」
将軍「…暗殺はいつでもできていた。だがそれだけでは駄目だった。奴隷達が…自ら立ち上がらないと、何も変えれなかった」
男「…だから…俺を…たきつけたってわけか…くそ、兄貴が…」
将軍「…俺は、ただ強いだけの男だった。弟のお前のように、誰かを守る、助ける力なんてなかった…結局、俺も逃げていただけだった…」
少女「…」
将軍「お前が羨ましかった。だから、汚れ役は俺が全て受けよう」
男「ふん…おせえよ…あに、き…」
将軍「…すまなかった…弟よ…」
少女「…」
男「…」
少女「…男、さん…?」
男「…」
少女「男さん…男さん…」
男「…」
少女「そ、そんな…」
将軍「…欲張りな奴め…奴隷達の英雄と、この国を救った勇者…そして、少女の愛という三つの名誉を手に入れて、逝くとはな…」
少女「男…男さん!!!」
月日は流れ
兵士A「あー…平和だな…」
兵士B「ついこの前まであんな国だったとは全然思えないな」
兵士A「うーん…ふわあああ」
兵士B「おいおい、アクビするなよ」
兵士A「いや、はっはっは…こう平和だと、ちょっと刺激が欲しいかな、なんてね…」
少女「では、私が刺激をあげましょうか?」
兵士A「…た、た、隊長!!」
兵士B「しょ、将軍様も…」
将軍「平和ボケもいいが、仕事はしっかりこなすように」
兵士A「は…も、申し訳ありません!!」
少女「ふふ…」
将軍「…本当に、これで良かったのか?俺は処刑されてもおかしくなかった。その覚悟もあった…あいつを見殺しにしたといわれても過言ではなかったというのに…」
少女「あなたは、生きて…この国を守る。それが償いです」
将軍「…俺にも、守る力があったのだな…気付くのが遅かった…」
少女「そうですね…私も、気付くのが遅かったです…」
将軍「…今日も、暑いな…」
少女「夏ですから」
将軍「…アレ?」
少女「どうかしましたか?」
将軍「いや、何か違和感があったと思ったら…」
少女「ふふ…だって長袖はもう暑いでしょ?」
完
マジ、テキトーorz
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