さらなる闇が、全てを包む。
「あ、ああ…」
サキさんは
「あああ…」
壊れたように
「あああああ!!!」
叫びました。
「お嬢…」
「ラル…どうして、教えてくえなかったの?私は…」
「…私がマクベスを救えなかったのも、事実。私が…殺したのも同じだ」
「…馬鹿だ。ラルも、サキも…」
そう呟いたマクベスさんの体は
「マクベス…」
徐々に薄くなり、消えつつありました。
「兄さん!!」
「これでいいんだ…本来俺は、ここにいてはいけない存在だ」
「やだ、やだ!!」
サキさんは小さな子供のように叫びました。
「もう嫌だ!一人は嫌!!兄さん、私を殺してよ!!!私も一緒に…」
そう言ったサキさんの
「…」
頬を、マクベスさんは叩きました。
「馬鹿野郎…それは二度と言うな」
「にい、さん…」
「それに…お前はもう一人じゃない…」
「…兄さん…」
「…ラル」
マクベスさんは師匠のほうを向き
「…世話をかけたな」
「かまわん」
最後の言葉を残し
「…サキを…後を、頼む」
消えていきました。
「…」
「…私は…」
「…お嬢…」
「私は、何で馬鹿だったんだろう」
サキさんの瞳からは、涙が流れていました。
「勝手にラルを恨んで、兄さんを振り回して…」
「…」
「ごめんなさい、ラル…ごめんなさい…」
「…私にも、責任はあった」
「私は…愚かだった…気付くのが…遅かった」
「その通りだな」
その声は師匠の声でも、誰の声でもありませんでした。
「…その声は…」
その声を聞いて、師匠の顔が険しくなりました。
「永かった…やっと、解放される」
「うあ…ああああ!!」
サキさんの雄たけびが響き
「そうか…」
サキさんの体から
「全ては、お前が元凶だったのか…」
黒い影が
「生きていたのか…魔王!!」
魔王が姿を現しました。
続く
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